今年5月に広響も出演した「別府アルゲリッチ音楽祭」のホームページで、アルゲリッチさん、コンサートミストレス蔵川瑠美のコメントが掲載されています。
(全てを見る http://www.argerich-mf.jp/archives/18th_comments.html )
マルタ・アルゲリッチ(総監督・ピアノ) |
・2016年5月7日 オーケストラ・コンサート後 私は去年共演して以来、この広島交響楽団が大好きなんです。非常に活き活きとしたオーケストラだと思います。ショスタコーヴィチのこの曲は、弦楽部が難しい難曲でしたが、素晴らしい準備をしてきてくれました。このオーケストラを招待したかったのは、去年の広島と東京での共演で非常に深い印象を受けていたからです。私は平和記念式典にも参列しました。特別な街の、特別なオーケストラだと思います。歴史的な意味からだけではなく、平和と音楽について彼らが取り組んでいる活動が素晴らしいからです。7月には小林愛実さんとシンフォニア・ヴァルソヴィアというポーランドのオーケストラと共演のコンサートをするそうですね。興味深い組み合わせです。このオーケストラだけではなく、広島県知事も世界平和のために、音楽に限らず様々な取り組みをされています。 広島に行ったのは去年が最初ではなく、それまでにリサイタルで何度か訪れたことがあります。ドゥダメルとシモン・ボリバル・オーケストラと訪れたこともあります。その時はカプソン兄弟とベートーヴェンの三重協奏曲を演奏しました。そういった過去の広島公演の中でも、去年は70周年ということで、非常に特別なものでした。 別府の聴衆の皆さんも、ショスタコーヴィチだけではなく、ベートーヴェンに関しても、このオーケストラの演奏を気に入られたのではないでしょうか。私は4日前に来日したばかりで、ほとんど眠れなかったこともあって調子はあまり良くありませんでした。でもショスタコーヴィチ作品は緊張度の高い曲ですけれど、ユーモアがあって演奏には入りやすかったですね。これがラフマニノフの協奏曲だったとしたら難しかったかもしれませんが。とにかく練習の時からオーケストラは素晴らしい演奏でした。 |
蔵川瑠美(広島交響楽団/ヴァイオリン) |
この度は、アルゲリッチ音楽祭に参加させていただき、本当にありがとうございました。全国から音楽祭を楽しみに集まられたお客様の熱気に包まれ、演奏させて頂いた私達も大変刺激になりました。 アルゲリッチさんは、演奏家として、そして人間としてもとても尊敬出来る方だと、改めて感じました。 昨年ご一緒させて頂いた時もそうでしたが、リハーサルのときはいつも、「私はこう思うけれど、あなたはどう?」と語りかけてくださいます。 オーケストラは、時には100人を超えるメンバーで演奏するので、皆が協力しないと1つの曲を作ることができません。それぞれに違う考えを持っていても、それを認め、尊重し合うことが大切です。 アルゲリッチさんの平和への活動の源には、そのようなお考えがあるのではないかと思います。そしてもしかしたら、世界の平和も、オーケストラで演奏することと似ているのかもしれないと、音楽祭を通して感じました。 素晴らしい機会を与えて頂き、感謝しております。本当にありがとうございました。 |
写真提供:(公財)アルゲリッチ芸術振興財団、(C)Rikimaru Hotta
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