(c) Kaz Ishikawa
広島出身の作曲家として世界で活躍する細川俊夫が、本日より広島交響楽団初のコンポーザー・イン・レジデンス(在籍作曲家)に就任いたしました。8月の「平和の夕べ」コンサートにおける新作世界初演を始め、ディスカバリー・シリーズ「Hosokawa×Beethoven」での2年間に及ぶ再演シリーズや、2021年に計画中の共同委嘱への参加など、広響と細川で密に取り組んでいきます。会話を重ね、互いの理解を深め、より完成度の高い作品に仕上げていくプログラムに是非ご期待ください。
任期は2019年7月1日〜2021年5月31日
《今後の主な公演》
■8月5日(月) 2019「平和の夕べ」コンサート
(広島文化学園HBGホール/18:45開演)
細川俊夫:リートⅤ チェロと弦楽オーケストラ、打楽器、ハープのための(広響委嘱・世界初演)(チェロ独奏:スティーヴン・イッサーリス)他
■10月4日(金)ディスカバリー・シリーズ〈Hosokawa×Beethoven2〉
(JMSアステールプラザ大ホール/18:45開演)
細川俊夫:ピアノ協奏曲「月夜の蓮」-モーツァルトへのオマージュ(ピアノ独奏:児玉桃)他
■12月5日(木)ディスカバリー・シリーズ〈Hosokawa×Beethoven3〉
(JMSアステールプラザ大ホール/18:45開演)
細川俊夫:トランペット協奏曲「霧のなかで」(トランペット独奏:ラインホルト・フリードリヒ)他
■2020年1月30日(木)ディスカバリー・シリーズ〈Hosokawa×Beethoven4〉
(JMSアステールプラザ大ホール/18:45開演)
細川俊夫:旅Ⅵ ヴィオラと弦楽のための(ヴィオラ独奏:ルオシャ・ファン)他
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細川俊夫プロフィール
1955年10月23日、広島生まれ。1976年から10年間ドイツ留学。ベルリン芸術大学でユン・イサンに、フライブルク音楽大学でクラウス・フーバーに作曲を師事。
1980年、ダルムシュタット国際現代音楽夏期講習に初めて参加、作品を発表する。以降、ヨーロッパと日本を中心に、作曲活動を展開。日本を代表する作曲家として、欧米の主要なオーケストラ、音楽祭、オペラ劇場等から次々と委嘱を受け、国際的に高い評価を得ている。2004年のエクサンプロヴァンス音楽祭の委嘱による2作目のオペラ《班女》(演出=アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル)、2005年のザルツブルク音楽祭委嘱のオーケストラ作品《循環する海》(世界初演=ウィーン・フィル)、第5回ロシュ・コミッション(2008年)受賞による委嘱作品である2010年世界初演のオーケストラのための《夢を織る》(クリーヴランド管弦楽団によって、ルツェルン音楽祭、カーネギーホール等で初演、2013年英国作曲家賞受賞)、2011年のモネ劇場の委嘱によるオペラ《松風》(演出=サシャ・ヴァルツ)、ユナイテッド・インストゥルメンツ・オブ・ルシリンの委嘱によるモノドラマ《大鴉》、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とバービカン・センター、コンセルトヘボウの共同委嘱による《ホルン協奏曲─開花の時─》といった作品は、大野和士、準・メルクル、ケント・ナガノ、サイモン・ラトル、ロビン・ティチアーティ、フランツ・ウェルザー=メストなど、世界一流の指揮者たちによって初演され、その多くはすでにそれぞれのジャンルにおけるレパートリーとして演奏され続けている。
2013年のザルツブルク音楽祭では、二度目となる同音楽祭委嘱作品、ソプラノとオーケストラのための《嘆き》の初演をはじめ、《古代の声》(アンサンブル・ウィーン=ベルリン委嘱作品)の初演ほか、多くの作品が演奏された。2014年、《トランペット協奏曲「霧のなかで」》(サントリー芸術財団「サマーフェスティバル」で初演)で3度目の尾高賞を受賞。近年、人と自然の関わりを見つめ直し、祈りと鎮魂としての音楽を書き続けており、2014年には《アイオロス》《フルス》といった協奏曲や歌曲《3つの天使の歌》などが次々と欧州で初演され、2015年には2人のソプラノとオーケストラのための《嵐のあとに》(東京都交響楽団創立50周年記念委嘱作品)が、同年11月に大野和士と同楽団により東京で初演、そのヨーロッパツアーにおいて各地で初演された。
2016年1月、東日本大震災の後の福島をテーマとしたオペラ《海、静かな海》(ハンブルク国立歌劇場委嘱作品。原作・演出:平田オリザ)がハンブルクで初演。2017年12月には、アンサンブル・アンテルコンタンポランの委嘱によるオペラ《二人静─海から来た少女─》(原作:平田オリザ)が、マティアス・ピンチャーの指揮によってパリのシテ・ドゥ・ラ・ミュジークで初演(演奏会形式)。2018年7月、オペラ《地震・夢》(シュトゥットガルト歌劇場委嘱作品。台本:マルセル・バイアー、原作:ハインリヒ・フォン・クライスト『チリの地震』)がヨッシ・ヴィーラーとセルジオ・モラビトの演出、シルヴァン・カンブルランの指揮によりシュトゥットガルト歌劇場で初演。いずれも大きな注目を集めるとともに、高い評価を受けた。
2001年にドイツ・ベルリンの芸術アカデミー会員に選ばれる。東京交響楽団1998-2007、ベルリン・ドイツ交響楽団2006/2007シーズン、西ドイツ放送局合唱団2006-2008シーズンのコンポーザー・イン・レジデンス、およびネーデルラント・フィルハーモニー管弦楽団2013/2014シーズンのコンポーザー・イン・レジデンスを歴任。2006/2007年および2008/2009年、ベルリン高等研究所からフェロー(特別研究員)として招待され、ベルリンに滞在。2015年モーツァルト・フェスティバル(ヴュルツブルク)のコンポーザー・イン・レジデンス。2012年にはドイツ・バイエルン芸術アカデミーの会員に選出された。2012年秋、紫綬褒章を受章。2018年8月「2018年度国際交流基金賞」、11月「第75回中国文化賞」を受賞。2019年3月新国立劇場でのオペラ《松風》の日本初演が「第31回ミュージック・ペンクラブ音楽賞 現代音楽部門賞」を受賞した。
現在、武生国際音楽祭音楽監督、東京音楽大学およびエリザベト音楽大学客員教授。
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